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2018年5月23日水曜日

MC-02 民事調停は成功したのか

頭が回らないと感じたのは熱のせいでなく風邪薬のためだったかもしれない。弁護士のR先生が提案した葉学会の査読が恣意的で不平等であることが争点だったはずが、ク語法の論文の採否の是非になってしまった。第一回目の調停で萬葉学会から出された「説得力がない」は第二回目の今回は相手方が触れず、「見らくし惜しも」のような「二重の準体句がひっかかる」が新たにク語法の論文の問題点として乾善彦氏より提出された。万葉集にそのような例がないと言う。

時代は中古になるが、土佐日記に
生まれしもかへらぬものをわが宿に小松のあるを見るがかなしさ
という用例がある。「あるを見る」の「ある」と「見る」が連体形で二重の準体句である。万葉集に例が本当にないのだろうか。なかったとしても確率の問題と思う。

せっかく大阪まで行ったんだから何か大阪ならではのものを食べたかったが、風邪で体調が悪いのはどうしようもない。ちょうど新大阪始発の「のぞみ」があったので何も食べず土産も買わずまっすぐに帰ってきた。

弁護士のR氏の本を乾善彦氏がほめていた。近々書評論文が出るかもしれない。そういう在野の研究者の著書がアカデミックな雑誌で取り上げられるならば、民事調停の試みが半分は成功したことになる。


2018年5月22日火曜日

MC-01 民事調停

夏風邪で熱があるのを押して大阪簡易裁判所へ代理人のR弁護士と出かけました。新幹線の冷房対策にセーター、フリース、ウィンドブレーカーを鞄に詰め込み、下着は冬用のものという出で立ちでした。

前回は4月19日でした。その時は申立人のこちらが裁判官と調停員に説明し、いったん控え室に下がり、その間に裁判官と調停員が相手方にこちらの意見を説明し、相手の意見を聞き、相手方が控え室に戻ると、また申立人の私たちが呼ばれ、相手の意見の説明を受け、こちらの意見を言い、また次に相手方が呼ばれ、という繰り返しです。

今日は対面調停というもので、裁判官と調停員が立会いの下双方が意見を言い答えます。

代理人の指示でいくつか書類を用意して臨んだのですが、今日はそのことが俎上に乗りませんでした。人生何事も経験です。できれば体調が万全であればと思いました。熱で頭が回らない。もともと悪い頭が更に悪くなってしまいました。

人生とは面白いものでブログを始めなければ代理人と出会わなかったでしょうし、民事調停も経験しなかったでしょう。

帰りの新幹線の中では図書館から借りた解析力学の教科書を読んでいました。ランダウもゴールドスタインも持っている(昔読んだ)のですが、なるほどこういう説明の仕方もあるんだなあと感心しました。ゴールは同じですが、初学者はつまらないところで躓くものです。ずっと上代語のことばかり考えていたので、暗算力がだいぶ落ちているのを感じました。いや、これは年のせいか。

こういうことを言うとあれですが、人文系の学者が書いた論理学や相対論の本にところどころおかしなところがあるのは、やはり抽象的にものを考える訓練を理科系の人たちほど受けていないからではないか。そう思います。それは頭の良さではありません。訓練の賜物です。誰でも訓練をすればそこそこ抽象的な思考、それは言語学に必要なことですが、それができるようになります。

ミ語法の論文に言語学の本を二つ引用しました。どちらも最初のページから最後のページまですべて読みましたが、いや疲れた。著者はどちらも数学の学位を持っています。ドイツ語圏、フランス語圏は知りませんが、英語圏の言語学は応用数学です。それを数式を使わずに言葉(英文)の説明だけで抽象化して理解する。数式という便利な道具を使わないだけ余計に読むのが疲れます。